【漫画】「誰がカエルを起こしたか? 後編」

「誰がカエルを起こしたか? 前編」の続きです。

今回は9ページから18ページ(完結)までです。


(実在の国を参考にしていると思ってほしくはないので(事実、全くの架空の国です。
あったら怖い)、適当過ぎる面積と人口にしています。










ことわざの出典は、「世界ことわざ比較辞典」
(日本ことわざ文化学会編、岩波書店)より。
それぞれ日本のことわざに置き換えると、
「カエルが怒ったとしても池は何も知らない」は「ごまめの歯ぎしり」、
「カエルに花のつぼみ」は「猫に小判」や「馬の耳に念仏」、
「ヒキガエルを鳴くまで踏みつける」は「仏の顔も三度」になるそうです。

こうしてカエルが出てくる世界のことわざを見ていると、
カエルは世界中でろくな扱いを受けていないことがよく分かります。
ロバと豚も。

カエルの扱いが悪いことわざ大賞(飛田選出)は、
日本の「カエルの面に小便」です。
何の手ごたえもないことの譬えだそうですが、
絶対そんなことはない…。
うちの地方だけかもしれませんが、
カエルに引っ掛けたら腫れる(何が、かは言わない)という伝承もあるように
カエルはちゃんと不快に感じて呪いで返すようです。
オランダ人も、ヒキガエルの呪いには気を付けましょう。


18ページ目の芭蕉の句に関係する豆知識についてですが、
これは以前、テレビ番組の「開運!なんでも鑑定団」で芭蕉に関する依頼品が
出品されていた時の解説VTRのうろ覚え情報です。
同じ説明のウェブページを探しても見つからないので、
誤認があるかもしれません。
(側溝にウシガエルが大繁殖していた時、人間を察知するとものすごい音で
一斉に水中に隠れていたような記憶がある…カエルの種類によって違いがある?)

もし記憶違いだと判明すれば「世界カエル劇場 歌の巻」あたりに差し替えます。
でもストーリー上、この豆知識は入れておきたかったのです。
(5ページ目でカエルが大きな音をたてて入水しており、
これは周囲の人に発作で苦しんでいる子供がいると知らせるためでした。)



14ページ2コマ目の「カエルを神の使いまたは神そのものとする国」のひとつは日本です。
古事記には物知りなヒキガエルの神様・多邇具久(たにぐく)が登場します。

カエルを縁起のいい生き物とする国では、
カエルは卵をたくさん産むので多産の象徴や、
雨が降る前に鳴くので雨をもたらすと考えられているそうです。


カエルの神聖性を表す逸話をもう一つ。
国宝・鳥獣戯画でカエルが阿弥陀如来(生あるものすべてをすくう仏)の役になり、
僧に扮した猿がお経をあげている有名な場面があります。

何故カエルが阿弥陀如来を演じているかというと、阿弥陀如来の手足には、
多くのものを漏らさず手で掬い、救い出すための
「手足指縵網相」という水かきのような膜があるため、
水かきをもつカエルが適役だったとの考察があるそうです。
(「掬う」も「救う」もどちらも「すくう」、
「救う」は「掬う」から派生した言葉という説あり)

私は、すっとぼけた表情のカエルがご本尊を演じる面白さのため、もしくは
脚と指の長いカエルでないと結跏趺坐と印相できないからだと思っていました。



…と、漫画でもこのコメントでもカエルをモチーフにした理由について述べましたが、
すべて後付けです。
実際はアメリカのオハイオ州ラブランドで目撃された二足歩行のカエルのUMA、
「カエル男(Frogman、ラブランド・フロッグ)」を描きたかっただけです。
未確認生物が大好物です。

元ネタのカエル男の背丈は120センチメートル程度と小柄で、
女子中学生でもどつきまわせば撃退できます。


(初回公開日:2021年08月07日)
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